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エンジニアのリモートワークの現実|フルリモートでも激務だった

この記事は、これからリモートで働きたい人と、すでにリモートで働いていて「思ったより楽じゃない」と感じている人の両方に向けて書いています。

結論:リモートは「楽」ではない。でも「実数」で選べば、自分に合う環境は選べる

先に結論です。リモートワークは「楽」でも「自由」でもありません。 少なくとも、それ自体が働き方を楽にしてくれるわけではない、というのが私の実感です。

私は前職で、ほぼずっとリモートで働いていました。それでも、当時は相当な激務でした。——この話をすると気が滅入るかもしれませんが、安心してください。伝えたいのは「だからリモートは無駄」ではありません。リモートかどうかという「働き方の名前」ではなく、残業の実数で選べば、自分に合う環境は選べるということです。そして、リモートそのものの魅力は本物です。順に書いていきます。

【本音】リモート中心でも、相当な激務だった

まず、幻想を壊すところから始めます。

私が前職でいちばん忙しかった時期は、平日は夜10時を過ぎての退社が当たり前で、繁忙期には日をまたいで深夜2〜3時まで、残業が月100時間に迫る月もありました。そしてこの時期、私はほぼずっとリモートで働いていました。家にいながら、これだけ働いていたわけです。

なぜこうなるのか。理由はシンプルで、リモートは仕事の「場所」を変えるだけで、「仕事量」を減らしてくれるものではないからです。納期も、顧客の要望も、人手不足も、家で働こうがオフィスで働こうが変わりません。

もう1つ、リモートでも消えないものがあります。顧客と社内の板挟みです。顧客の要望・予算・納期と、社内の進捗・品質・育成。この間に立つ消耗は、画面越しでもまったく減りませんでした。むしろ、チャットや会議で常に呼ばれる分、オフィスにいる時より「逃げ場がない」と感じる場面すらありました。

「リモートなのにつらいのは自分だけ?」と感じている人がいたら、それは甘えではありません。環境(=仕事量と構造)の問題です。

なぜ「リモート=楽」の幻想は崩れるのか

リモートが楽そうに見えるのは、通勤がなくなるからです。確かに通勤は消えます。でも、代わりにオンとオフの境界が消えるという副作用があります。

家が職場になると、始業も終業も曖昧になります。夜でも「ちょっとだけ」とPCを開いてしまう。オフィスなら「帰る」という物理的な区切りがあったのに、リモートではそれがない。稼働が見えにくいぶん、気づけば長く働いている——これは私自身も陥ったことです。

実際、テレワークでかえって長時間労働になった、いわゆる「隠れ残業」が起きた、という声は以前から指摘されています。「リモート=短時間で楽」という思い込みは、いったん手放したほうがいい、というのが私の結論です。

もし今つらいなら、その激務が「リモートのせい」なのか「そもそもの環境(案件の波か組織の常態か)」なのかを切り分けてみてください。切り分け方は「SIerは激務って本当?」と「エンジニアが激務で辞めたいと思ったら」に詳しく書いています。

それでも私はリモートを選ぶ|リモートの魅力は本物

ここまで散々書いておいてなんですが、私はそれでもリモートを選びます。 一長一短を分かったうえで、私にとっての魅力は、代えがたいものでした。

いちばん大きかったのは、集中できることです。オフィスと違って、机・椅子・モニターを自分に合わせて用意できる。周りは静かで、人の目もない。もともと私はそういう環境のほうが性格的に合っていて、リモートにしてから明らかに集中の質が上がりました。仕事の「量」は減らなくても、同じ時間で進む「密度」は上がったのです。

次に、通勤時間がゼロになること。前述のとおり当時は多忙でしたから、往復の通勤時間すら惜しかった。その時間を睡眠や作業に回せるのは、忙しい時期ほどありがたく感じました。

一方で、面白いのは、リモートOKの環境でも、自発的に出社する人は結構いたということです。家だと集中できない人、雑談から仕事が生まれると考える人、オンオフを物理的に分けたい人——理由はさまざまでした。つまり、リモートが「正解」かどうかは人による。私には合っていましたが、それは万人の正解ではありません。

「働き方の名前」でなく「実数」で選ぶ

ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。会社を「リモート可かどうか」だけで選ぶと、失敗します。 リモート中心でも月100時間働くことがある、というのが動かぬ証拠です。

では何で選ぶか。実数です。私が転職で会社を選び直したとき、確かめたのは次のようなことでした。

  • 残業の実数(あわせて有休消化率・所定労働時間が7時間か7.5時間か)
  • リモートワークができるか

大事なのは、この2つを同時に見たことです。「リモート可」という条件は、私にとって譲れない魅力でした。でもそれだけでは、また同じ激務を引く可能性がある。だから「リモート可か」と「残業は実際に何時間か」をセットで確認しました。働き方の名前(リモート/出社)は、忙しさを保証してくれません。忙しさを決めるのは実数です。

こうした「求人票に出ない実数」をどう確かめるかは、「IT転職エージェントの選び方」にまとめています。角を立てずに、あるいはプロ経由で確認する方法があります。

まとめ:リモートは幻想でも地獄でもない。実数で選べば、自分に合う働き方は選べる

  • リモートは「楽」ではない。仕事の場所を変えても、量と構造(板挟み)は変わらない
  • 私はリモート中心でも月100時間近くの月があった。「リモート=短時間」は幻想
  • それでもリモートの魅力(集中・通勤ゼロ)は本物。ただし正解は人による
  • 会社は「リモート可か」でなく「残業の実数」で選ぶ。名前は忙しさを保証しない

リモートは、幻想でも地獄でもありません。中身(実数)を見て選べば、自分に合う働き方は選べます。 今つらい人は、それが働き方のせいか環境のせいかを切り分けるところから。これから選ぶ人は、「リモート可」の一言で飛びつかず、実数まで確かめてください。

よくある質問(FAQ)

Q. フルリモートは向いていない人もいますか? A. います。家で集中できるか、雑談やオンオフの区切りをどう作るかは人それぞれです。私には合っていましたが、リモート可でもあえて出社する人も現にいました。合うかどうかは一度試してみないと分かりません。

Q. リモートなら残業は少ないですか? A. 保証はありません。私はリモート中心でも月100時間に迫る月がありました。残業は「働き方の名前」ではなく「実数」で確認してください。

Q. 出社回帰が進む今、リモート希望での転職は不利ですか? A. 出社回帰の動きはあると言われますが、リモート可の求人がなくなったわけではありません。「リモート可か」と「残業実数」を両方満たす求人を、条件を決めて探すのが現実的です。

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この記事を書いた人

文系・未経験からITエンジニアになり、業務用アプリの開発を5年経験。バックエンドからフロントエンドまで一人で作れるフルスタックエンジニアで、現在はPMも兼務。AWS・Azureなど実務での経験をもとに、未経験からのIT就職・転職と学習法を発信しています。

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