この記事は、エンジニアとして市場価値を上げたいと決めた人に向けて書いています。ペースを落として消耗を減らしたい人は、無理に読み進めず「エンジニアがゆるく働きたいは甘え?」のほうが役に立ちます。
結論:市場価値は「足し算」より「何を捨てて何に時間を投じるか」で決まる
先に結論です。市場価値を上げるコツは、スキルを足し算で増やすことではありません。有限な時間の中で「何を捨てて、何に投じるか」を選ぶことです。
先に釘を刺しておきます。この記事は「市場価値を上げるのが偉い」という話ではありません。健康や生活を優先するのも立派な選択で、私自身、健康や家族のことを考えれば、もう昔と同じ働き方はしません。あくまで「上げたい」と決めた人が、何を差し出すかを納得して選ぶための判断材料として読んでください。
そもそも「市場価値」とは(ここは軽く)
市場価値をひとことで言えば、「他社が採りたい・高く払いたいと思う度合い」です。一般には「スキル × 経験 × 需要」で決まるとされます。
ただ、この記事で扱うのは「どう上げるか」です。市場価値が何で決まるか・自分の位置をどう測るか、あるいは具体的な年収の相場は、それぞれ別の話なので、ここでは深入りしません。上げる、と決めた前提で進めます。
なぜ「足し算」でなく「引き算」なのか
市場価値の上げ方を検索すると、「クラウドを学べ」「資格を取れ」「上流を経験しろ」といったやることリストがずらりと出てきます。どれも間違いではありません。でも、決定的に抜けているものがあります。あなたの時間は有限だという事実です。
全部はできません。だから本当の問題は「何をやるか」ではなく、「何を諦めて、何に時間を集中させるか」です。
正直に書きます。私が激務な時期に市場価値を上げられたのは、時間とプライベートを差し出していたからでもあります。それは美談ではありません。平日は夜遅くまで、繁忙期は深夜まで働いて、その代わりに規模の大きい仕事やPMの経験を得ました。市場価値を取るということは、多くの場合、何かを差し出しているのです。
だからこそ、無理はしないでください。もし心や体に不調のサイン(眠りが浅い、体調を崩しがち、など)が続くなら、市場価値より健康が先です。原因は人それぞれなので、気になる状態が続くときは一人で抱えず、適切な窓口に相談してください。
何を「捨てる」か:基準は「今の環境が、目的に効いているか」
では、何を捨てるか。私が使ってきた判断基準はシンプルです。「今いる環境やタスクが、自分の目的(積みたい経験)に効いているか」——これだけです。
私は「辞めたい」と思ったことが何度もありました。でもその都度残ったのは、「技術力を上げる」という目的がまだ達成できていなかったからです。逆に言えば、目的に効いていない努力・環境は、手放していい。 惰性で続けている勉強、成長につながらない作業は、思い切って捨てる。そうやって空いた時間を、目的に効くことへ集中させるのです。
「頑張ること」自体が目的化すると、あれもこれもと抱えて消耗します。捨てる基準を持つと、力の入れどころが決まります。
何を「取る」か:スキルより先に”経験を積める環境”を選ぶ
ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。市場価値を上げるうえで、個人の勉強より効くのは「どこで働くか」です。
同じ時間を勉強に使っても、独学で積める経験には限界があります。一方、大規模なシステムや上流工程を任される環境に身を置けば、そこでしか積めない経験が自然と溜まっていきます。 私が転職で会社を選び直したとき、「PMや大規模案件の経験を積めるか」「技術力を大切にする風土か」を重視したのは、まさにこれが理由でした。環境が、経験を運んできてくれるのです。
もう1つは掛け算です。私はフロント・バック・インフラに触れ、PMも経験しました。単体スキルを増やすより、こうした組み合わせで幅を作るほうが希少性は高くなります。「作れて、かつ回せる」人は、市場では少ないからです。
もちろん、「どんな環境が良いか」を見極めるのは簡単ではありません。でも、闇雲に資格を増やすより、“積める経験”がある環境を選ぶことに時間を使うほうが、市場価値への近道です。
まとめ:捨てて取るのは、”自分の優先順位”で
- 市場価値は足し算のスキル習得より、「何を捨てて何に時間を投じるか」で決まる
- 捨てる基準は「今の環境・努力が、自分の目的に効いているか」
- 取りにいくのは、スキルより先に「経験を積める環境」。掛け算で希少性を作る
- ただし健康や生活を差し出しすぎない。上げるのが唯一の正解ではない
市場価値を上げるのは、立派な選択です。でも、上げるのが偉くて、ゆるく働くのが負け、という話ではありません。 どちらを取るかは、あなたの優先順位しだい。上げにいくと決めたなら、まずは「経験を積める環境」を探すところから始めてみてください。今の激務が本当に自分のためになっているかを見直したいなら、「SIerは激務って本当?」も参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q. スキルの勉強と、環境選び、どちらを優先すべき? A. 時間が有限なら、環境が効きやすいです。独学で積める経験には限界があり、”積める経験”のある環境に身を置くほうが、市場価値は伸びやすい傾向があります。
Q. 市場価値を上げると、必ず激務になりますか? A. トレードオフはありますが、「実数」で環境を選べば負荷は抑えられます。負荷と成長のバランスは、ゆるく働く選択と見比べて決めてください。
Q. 何年目から動くべきですか? A. 年次より「今の環境が自分の目的に効いているか」で判断してください。効いているなら残る、頭打ちなら動く、が基本です。
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